生成AIを使った副業の始め方【2026年版】仕事の種類・税金・契約・詐欺の注意点

AI副業

確認日:2026年9月24日。国税庁・厚生労働省・公正取引委員会・文化庁・消費者庁・国民生活センターの公式ページで確認しました。この記事は、2025年6月に公開した「AI × 副業革命:短時間・高単価を叶える独自サービス設計」と、2025年9月に公開した「AI副業入門:スマホ1台から始める身近な案件獲得と収益化の実践ガイド」の2本を1本に統合し、誇張を除いて全面的に書き直したものです。

はじめに:生成AIは「副業の道具」であって、稼げる仕組みではない

ChatGPT・Claude・Gemini などの生成AI(文章や画像を作り出すAI)を使うと、下書き作りや調べものが速くなります。そのため「AIを使えば副業で稼げる」という話をよく見かけます。

ただ、AIが速くしてくれるのは作業の一部です。お客さんを見つける、要望を聞く、できあがりを確認して責任を持って納品する、といった部分は人の仕事のままです。収入はどんな仕事を、どれだけ、いくらで引き受けるかで大きく変わるので、この記事では金額の目安は書きません。

この記事では、次のことを順番に説明します。

  1. AIを使える副業にはどんな種類があるか
  2. 始める前に確認すること(会社のルール・税金)
  3. 最初の仕事の探し方と、受注から納品までの流れ
  4. AIを使うことをお客さんにどう伝えるか、著作権と品質の注意
  5. スマホだけでできることと、その限界
  6. フリーランス法で、受注する側が知っておくこと
  7. 「AIで簡単に稼げる」という講座や情報商材への注意

AIを使える副業の種類

生成AIは、多くの仕事で「下書き係」や「整理係」として使えます。代表的なものを表にまとめました。どれも最後は人が確認して仕上げることが前提です。

仕事の種類AIに任せやすい部分人がやる部分向いている人
文章作成(ブログ・SNS投稿・商品説明など)構成案、下書き、言い換え、誤字の候補出し事実確認、お客さんらしい言葉づかいへの調整、表現の規制チェック書くことが苦にならない人
画像・デザインの補助イメージ案、ラフ(下書き)、背景の差し替えなどの編集仕上げ、文字の配置、既存の作品に似ていないかの確認デザインツールに慣れている人
動画編集の補助字幕の文字起こし、台本の下書き、要約カット編集、字幕の誤りの修正、音量やテンポの調整動画編集の経験がある人
データ整理表の整形、分類、関数やマクロの下書き元データとの照合、個人情報の扱い表計算ソフトが得意な人
AI導入の手伝いマニュアルの下書き、よくある質問の整理相手の業務の聞き取り、ルール作り、使い方の説明本業でAIを使いこなしている人
教える仕事(AIの使い方講座・個別サポート)教材や練習問題の下書き相手に合わせた説明、質問への回答人に説明するのが好きな人

画像の仕事では、使う画像生成AIの商用利用の条件を必ず確認しましょう。サービスやモデルごとに条件が違います。画像生成AIの比較と商用利用の確認方法は Qwen-Image-2.1 と GPT-Image-2.5 の比較記事 で、画像の編集機能については ChatGPT Images 2.5 の検証記事 で紹介しています。

自分の経験と組み合わせて選ぶ

旧記事でも紹介した方法ですが、何を仕事にするか迷ったら、AIを相談相手にして自分の経験を整理するのが近道です。たとえば次のように頼みます。

次の経験を持つ人が、副業で手伝えそうな仕事を5つ挙げてください。
それぞれ「誰の、どんな困りごとを解決するか」と
「始める前に身につけておくべきこと」も書いてください。

・経験:(例)飲食店のホールで5年、SNSの投稿も担当
・得意なこと:(例)短い文章を書くこと、写真を撮ること
・使える時間:(例)平日の夜に1時間、土曜に3時間

AIの答えはあくまで候補です。「自分がその仕事を1本やり切れるか」「確認できる知識があるか」を自分で判断してから決めましょう。自分が内容の正しさを確認できない分野(医療・法律・税金の助言など)は、AIが文章を書けても引き受けないのが安全です。

始める前に確認すること:会社のルールと税金

1. 勤め先の就業規則

会社員の場合は、まず就業規則で副業が認められているか、届け出が必要かを確認します。厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(最新の改定は2022年7月)を公開しており、モデル就業規則には副業・兼業の規定や届け出の様式例が用意されています。ただし、実際のルールは会社ごとに違います。

本業と同じ業種の仕事や、本業で知った情報を使う仕事は、許可されていても問題になりやすい部分です。気になる点は人事の担当者に確認しておきましょう。なお、国家公務員は国家公務員法で兼業が制限されており、許可が必要な場合があります(内閣人事局の概要資料)。

2. 所得税の確定申告

国税庁の「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」によると、給与を1か所から受けていて、その給与がすべて源泉徴収の対象になっている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。

ここでいう「所得」は、売上(収入)そのものではなく、売上から必要経費を引いた金額です。AIサービスの利用料など、副業のために使った費用の扱いも含めて、記録を残しておきましょう。

3. 住民税の申告

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。たとえば名古屋市の案内では、給与以外の所得が20万円以下の場合でも市民税・県民税の申告が必要と説明されています。手続きはお住まいの市区町村で確認してください。住民税の申告の考え方は 副業で10万円の収入がある場合、住民税申告は必要? で詳しく解説しています。

4. インボイス制度

会社などから仕事を受けると、「インボイス(適格請求書)の登録番号はありますか」と聞かれることがあります。登録するかどうかは、取引先や売上の規模によって判断が分かれます。仕組みは国税庁の「特集 インボイス制度」で確認し、迷う場合は税務署や税理士に相談しましょう。未登録の場合は、取引の前に正直に伝えておくとトラブルを防げます。

最初の仕事の探し方

仕事の探し方は、大きく3つあります。それぞれ良い点と注意点があります。

探し方良い点注意点
クラウドソーシング(ネット上で仕事を募集・応募できるサービス)案件の数が多く、支払いの仕組みがサービス側で用意されている応募者が多く、実績がないうちは選ばれにくい。手数料がかかる
スキルマーケット(自分のサービスを出品するサービス)自分で内容と価格を決めて出品できる出品しただけでは見つけてもらえない。手数料がかかる
知人・地域のお店・SNSでのつながり信頼関係から始められ、要望を直接聞ける契約内容をあいまいにしやすい。条件を書面で残すことが大切

手数料の率や支払いのタイミングはサービスごとに違い、変更されることもあります。登録する前に、各サービスの公式の料金ページと利用規約で確認してください。

身近なお店の「発信の手伝い」は始めやすい

旧記事で紹介した具体例です。整骨院、美容室、カフェ、習い事教室、地元の小売店などは、SNSやお店の情報ページで発信したくても、「ネタが思いつかない」「毎回同じような内容になる」「本業が忙しくて時間がない」と困っていることがあります。

こうしたお店向けに、投稿文の作成を代行するのは、文章系の副業の入り口として始めやすい仕事です。ネタ作りには、「テーマ(縦軸)」と「切り口(横軸)」を掛け合わせる方法が使えます。

テーマ(縦軸)の例切り口(横軸)の例
よくある悩みどんな人向けか(例:子育て中の40代)
季節の話題おすすめのメニュー
お店のこだわり自宅でできるケアやコツ
スタッフの紹介よくある質問への答え

たとえば「白髪の悩み」×「美容室に頻繁に通えない子育て中の人」を掛け合わせると、具体的な投稿のテーマになります。AIには、このテーマと、お店から聞いた事実(メニュー名、料金、営業日など)を渡して下書きを作ってもらいます。

このとき、「SNS運用」ではなく「投稿文の作成代行」と伝えるのがおすすめです。「運用」と言うと、フォロワー数や売上の成果まで期待されやすくなるからです。お店の資料をAIに読ませて下書きを作る方法は 手元のデータを「AIが読めるナレッジ」に変える実践ガイド が参考になります。

受注から納品までの流れ

  1. 声をかける・応募する:何を手伝えるかを短く伝える。いきなり売り込まず、まずサンプルを見てもらう提案をする
  2. 見本を見せる:実際の作例を2〜3本と、料金表を一緒に出す。料金は1本ごとより「月◯本でいくら」のようなパックにすると、内容と金額を比べてもらいやすい
  3. 約束をすり合わせる:下の表の項目を決め、メールやメッセージなど後から見返せる形で残す
  4. 作成・確認・納品:AIで下書きを作り、人が事実と表現を確認してから納品する。毎月の要望は短い質問票で聞く

受注前に決めておくこと

項目決める内容の例
作るもの本数、文字数、どの媒体向けか
納期いつまでに、どの方法で渡すか
報酬と支払い金額、支払日、支払い方法、振込手数料の負担
修正何回まで無料で直すか
素材写真や画像を誰が用意するか
避ける表現業種ごとの注意点(例:医療系で「治る」と書かないなど)
AIの利用AIを使ってよいか、どの範囲で使うか(次の章で説明)

画像のデザインまで引き受けると、必要なスキルと確認の手間が一気に増えます。最初は文章の作成に絞り、画像はお店に用意してもらうか、利用条件を確認した素材を使う形にすると無理がありません。

AIを使うときの説明と、著作権・品質の注意

AIを使うことは、隠さずに確認する

旧記事では「AIを使っている」と言わないほうがよい、と書いていました。この記事では考え方を改めます。AIを使ってよいかは、受注前にお客さんに確認しましょう。会社によっては、外部の人がAIを使うことを禁止していたり、使ってよいサービスを指定していたりします。後から分かると、信頼を失うだけでなく契約違反になるおそれもあります。

あわせて、次の点も決めておくと安心です。

  • お客さんの情報をAIに入力してよいか:未公開の情報や個人情報は入力しない、入力するなら学習に使われない設定やサービスを使う、など
  • 使うAIサービスの利用規約:生成したものを仕事(商用)に使えるか、入力した内容がどう扱われるか
  • AIが作った部分の扱い:納品物にAIの生成物が含まれることを、必要に応じて伝える

著作権:文化庁の資料で確認できること

文化庁は「AIと著作権」のページで、2024年3月の「AIと著作権に関する考え方について」と、2024年7月の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を公開しています。AIを使って仕事をする人(AI利用者)向けのポイントは次のとおりです。

ポイント内容
侵害になる条件既存の作品との「類似性」(似ていること)と「依拠性」(その作品をもとにしたこと)の両方があると、著作権侵害になり得る
利用の前に確認生成物を使う前に、既存の作品に似ていないかを確認する。インターネットの文章検索や画像検索の活用が挙げられている
作品名などを入力しないプロンプトに既存の作品そのものや、作品のタイトル・キャラクター名などを入れると、依拠性が認められやすくなると考えられる
生成と利用は別個人で楽しむための生成は認められる場合でも、ネットで公開するなどの「利用」は別に確認が必要になることが多い
記録を残す生成に使ったプロンプトなど、作る過程を確認できるようにしておくことが望ましい
AI生成物の著作物性AIの生成物が著作物になるかは、使った人の「創作意図」と「創作的寄与」(人がどれだけ創作に関わったか)の程度で判断される

最後の点は、納品物の権利をお客さんに渡す契約で特に関係します。AIだけで作った部分は、著作物として扱えない可能性がある、ということです。権利の扱いを契約で決める場合は、この点を理解したうえで話し合いましょう。判断に迷う場合は専門家に相談してください。

品質の確認は、受注した人の責任

生成AIは、もっともらしい間違い(ハルシネーション)を書くことがあります。お客さんから見れば、AIが書いたかどうかに関係なく、納品したあなたの成果物です。納品前に次の点を確認しましょう。

  • 固有名詞・数字・日付・料金が、お客さんの資料や公式情報と合っているか
  • 業種ごとの広告の規制や、お客さんが避けたい表現に触れていないか
  • 他の記事や作品と似すぎていないか(文章も検索して確認する)
  • 依頼された本数・文字数・形式どおりになっているか

スマホだけでできること、できないこと

ChatGPT・Claude・Gemini は、いずれもスマホアプリがあり、声で話しかけて使うこともできます。たとえば Claude の音声モードは iOS・Android のアプリを含めて全プランで使えると公式ヘルプに書かれています。Gemini も Android のアプリで「Gemini Live」という音声での会話機能が使えます。キーボード入力が苦手でも、話しながら下書きを作れます。

作業スマホだけで理由・補足
お客さんとの連絡、ヒアリングできるメッセージアプリやメールで十分
短い投稿文の下書きと修正できる音声入力と組み合わせると速い
調べもの、アイデア出しできるただし情報の確認は公式ページで行う
長い記事や資料の作成難しい全体を見渡しながらの推敲や、事実確認がしにくい
画像の仕上げ、動画編集難しい細かい作業や書き出しはパソコンのほうが確実
表計算のデータ整理難しい大きな表の確認や関数の検証には画面の広さが必要
請求書の作成、帳簿付けアプリ次第会計アプリにはスマホ対応のものもある

スマホは「始めるハードルを下げる道具」としては十分です。ただ、仕事が増えてきたら、確認作業の正確さのためにもパソコンを使える環境を用意したほうがよいでしょう。

フリーランス法で、受注する側が知っておくこと

2024年11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法、通称フリーランス法)が施行されました。仕事を発注する事業者に、フリーランスとの取引で守るべきルールを定めた法律です。

この法律の「フリーランス(特定受託事業者)」は、従業員を使わずに1人で仕事を受ける個人などです。公正取引委員会のQ&A(Q14)では、会社に雇われている人でも、副業で他の事業者から仕事を受けている場合は対象になり得ると説明されています。一方、事業者ではなく消費者として依頼してきた人との取引は対象外です(Q21)。

発注者の主な義務

発注者の義務内容主にどんな発注者に
取引条件の明示仕事の内容、報酬の額、支払期日などを、すぐに書面やメール・SNSのメッセージなどで示すすべての発注者(従業員のいない発注者も含む)
報酬の支払期日納品を受けた日から60日以内の、できる限り短い期間で支払期日を決める従業員を使う発注者
禁止行為受け取りの拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、不当なやり直しなど従業員を使う発注者で、1か月以上の取引
募集情報の正確な表示募集の情報をうそや誤解させる内容にしない従業員を使う発注者
ハラスメント対策相談体制を整えるなどの措置従業員を使う発注者
中途解除の予告契約を途中で解除するときは、原則30日前までに予告する従業員を使う発注者で、6か月以上の取引

出典は公正取引委員会の「フリーランス法特設サイト」です。ほかに、6か月以上の取引では育児や介護との両立への配慮も求められます。

受注する側が気をつけること

  • 条件は必ず文字で残す:口約束だけで始めない。発注者から条件が届かない場合は、自分から「内容・金額・支払日」をメッセージで確認する
  • クラウドソーシング経由の場合:サービス運営者と、実際に依頼した人のどちらが発注者にあたるかは、取引の実態で判断されます(Q&Aの Q29)
  • 困ったら相談窓口へ:報酬の未払いや一方的な減額などは、厚生労働省の委託で弁護士に無料で相談できる「フリーランス・トラブル110番」があります

「AIで簡単に稼げる」講座や情報商材に注意

AIの副業が話題になるにつれて、「AIで簡単に稼げる」とうたう講座や情報商材(稼ぎ方のノウハウとして売られる情報)のトラブルが増えています。

国民生活センターは2026年9月16日に「ビジネス講座のトラブルにご注意」を公表しました。ビジネス講座に関する相談は、2020年度の1,169件から2025年度には3,551件に増えています。相談事例には、AIの講座の内容が期待した水準ではなかったものや、総額100万円を超えるAI講座の契約も挙げられています。

また、Web会議サービスを使った勧誘は、特定商取引法の「電話勧誘販売」にあたる場合があるとされています。電話勧誘販売のクーリング・オフ(一定期間内なら無条件で契約をやめられる制度)の期間は8日間で、書面のほか電子メールなどでも通知できます(国民生活センター:クーリング・オフ)。

2023年10月の発表「【20代特に注意!】簡単に稼げるという副業」では、「短時間で簡単に稼げる」という広告からメッセージアプリに登録し、マニュアル代を払ったあと、さらに高額なサポートプランを勧められた事例が紹介されています。消費者庁も「SNSなどを通じた投資や副業といった「もうけ話」」への注意を呼びかけています。

契約する前のチェックリスト

  • 「簡単」「スマホだけで」「誰でも」「放置で」など、手軽さばかりを強調していないか
  • 何をすれば、なぜ収入になるのかを、自分の言葉で説明できるか
  • その場で決めるよう急かされていないか(Web会議や電話での勧誘は特に注意)
  • 月々の支払額ではなく、総額はいくらか。借入れやクレジットを勧められていないか
  • 解約の条件と返金の範囲が、契約前に書面で示されているか

少しでも不安があれば、契約する前に消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、近くの消費生活センターを案内してもらえます。生成AIの使い方そのものは、各サービスの公式ヘルプや無料の情報でも十分に学べます。

まとめ

  • 生成AIは作業を速くする道具です。仕事を見つけ、確認し、責任を持って納品するのは人の役割です。
  • 仕事の種類は、文章作成・画像や動画の補助・データ整理・AI導入の手伝い・教える仕事などがあります。自分の経験と組み合わせて選びましょう。
  • 始める前に、就業規則、所得税の確定申告(給与以外の所得が20万円超)と住民税の申告を確認します。
  • 最初は身近なお店の投稿文作成など、小さく始められる仕事がおすすめです。条件は必ず文字で残しましょう。
  • AIを使ってよいかは受注前に確認し、既存の作品に似ていないか、事実が正しいかを納品前に確かめます。
  • 副業で仕事を受ける人もフリーランス法の対象になり得ます。「簡単に稼げる」講座は契約前に立ち止まり、不安なら188へ。

参考リンク

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