確認日:2026年9月24日。Microsoft Learn の Fabric ドキュメント、Azure の公式料金ページと Azure Retail Prices API、Microsoft の公式ブログで確認しました。この記事は2025年9月に公開した「Microsoft Fabricとは?Azure SQLとの違いと導入すべき理由」を、2026年9月時点の情報で全面的に書き直したものです。旧記事で「プレビュー中」としていた SQL database in Fabric は、2025年11月に一般提供(GA)になっています。
はじめに:この記事で分かること
社内のデータを分析しようとすると、「データを集める道具」「ためておく場所」「集計する仕組み」「グラフにする道具」を別々に用意して、つなぎ合わせる必要がありました。Microsoft Fabric(マイクロソフト ファブリック)は、これらを1つのサービスにまとめた、Microsoft のデータ分析基盤です。
この記事では、これから Fabric を学ぶ方に向けて、次の順番で説明します。
- Fabric とは何か(SaaS 型の統合データ分析基盤)
- すべての土台になる OneLake
- 主なワークロード(Data Factory・Data Engineering・Data Warehouse・Real-Time Intelligence・Power BI・Databases など)
- Copilot と AI 機能
- 容量(F SKU)と料金の考え方
- 60日間の無料試用
- Azure SQL Database との違いと使い分け
- 始め方の手順と、導入を判断するチェックポイント
Microsoft Fabric とは:データ分析に必要な道具をまとめた SaaS
Microsoft Learn では、Fabric を「データの取り込み・変換・リアルタイム処理・分析・レポート作成までを一続きで扱える分析プラットフォーム」と説明しています。提供形態は SaaS(サース、Software as a Service)です。サーバーの準備やソフトの更新は Microsoft が行い、利用者はブラウザ(app.fabric.microsoft.com)から使います。
たとえるなら、Word・Excel・PowerPoint をまとめた Microsoft 365 の「データ分析版」です。Microsoft 365 のファイルが OneDrive に保存されるように、Fabric のデータは OneLake という共通の保存場所に入ります。どの機能からも同じデータを使えるのが最大の特徴です。
公式ドキュメントでは、Fabric の特徴として次の点が挙げられています。
- 役割ごとの機能(ワークロード):データエンジニア、データサイエンティスト、業務の分析担当者、データベース管理者向けの道具がそろっている
- OneLake:すべての機能が同じデータレイクを使うので、データのコピーや移動を減らせる
- Copilot:クエリやコードの作成、要約などを AI が手伝う
- Microsoft 365 との連携:Excel や Teams からデータを使える
- 一元的な管理とガバナンス:権限・機密ラベル・監査などを Microsoft Purview と連携してまとめて管理できる
最初に覚えておきたい用語
- テナント:会社や組織の単位。Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)の組織のことです。
- 容量(キャパシティ):Fabric の計算資源のかたまり。大きさを F2・F64 などの「SKU」で選び、これに料金がかかります。
- ワークスペース:フォルダのような作業場所。容量に割り当てて使います。
- アイテム:ワークスペースの中に作るもの。レイクハウス、ウェアハウス、ノートブック、パイプライン、レポートなどです。
- OneLake:テナントに1つだけある共通のデータ保存場所です。
OneLake:会社のデータを1か所にまとめる土台
OneLake(ワンレイク)は、Fabric のすべての機能が使う共通のデータレイク(大量のデータをそのままためておく場所)です。Fabric のテナントを作ると自動で1つ用意され、削除したり2つ目を作ったりはできません。公式ドキュメントでは、Office のファイルが OneDrive に入るのと同じように、Fabric の各機能は最初から OneLake につながっていると説明されています。
表形式のデータは Delta Parquet または Apache Iceberg という公開された形式で保存されます。特定の製品に閉じた形式ではないため、Fabric 以外のツールからも読めます。
| 仕組み | できること |
|---|---|
| ショートカット | Azure Data Lake Storage、Amazon S3、Google Cloud Storage などにあるデータを、コピーせずに OneLake から参照する |
| ミラーリング | Azure SQL Database、Azure Cosmos DB、Snowflake などのデータベースを、分析しやすい形で OneLake にほぼリアルタイムで複製し続ける |
| OneLake カタログ | 社内のデータを検索し、持ち主・説明・機密ラベルなどを確認・管理する |
| OneLake セキュリティ | フォルダ・テーブル・行・列の単位でアクセス権を決め、SQL・Spark・Power BI のどこから見ても同じルールを適用する |
「一度入れたデータを、SQL でもノートブックでも Power BI でも、コピーせずに使える」という考え方が Fabric 全体の基本です。社内の資料やデータを AI に使わせる考え方は 手元のデータを「AIが読めるナレッジ」に変える実践ガイド でも解説しています。
主なワークロード(機能のまとまり)
Fabric では、目的ごとの機能のまとまりをワークロードと呼びます。2026年9月時点の Microsoft Learn に載っている主なものは次のとおりです。
| ワークロード | できること | 主なアイテム |
|---|---|---|
| Data Factory | 社内外のデータを集め、整えて取り込む。200以上のコネクタがある | パイプライン、Dataflow Gen2、コピージョブ |
| Data Engineering | Apache Spark で大量のデータを加工する | レイクハウス、ノートブック、Spark ジョブ定義 |
| Data Science | 機械学習モデルを作って予測に使う | 実験、モデル |
| Data Warehouse | SQL(T-SQL)で集計・分析する。計算とストレージを分けて拡張できる | ウェアハウス |
| Databases | アプリの業務データを読み書きするデータベースを Fabric 内に作る | SQL database、Cosmos DB |
| Real-Time Intelligence | センサーやログなど、流れてくるデータをその場で分析し、条件に応じて通知や処理を行う | イベントストリーム、イベントハウス、Activator、Real-Time ダッシュボード |
| Power BI | グラフやダッシュボードを作って共有する | セマンティックモデル、レポート |
| Fabric IQ(プレビュー) | 「顧客」「出荷」などの業務の言葉でデータを整理し、AI エージェントが正しく解釈できるようにする | オントロジー、データエージェント、運用エージェント、プランニングなど |
初心者がまず押さえたい3つのアイテム
- レイクハウス:ファイルとテーブルを両方置ける入れ物。自動で「SQL 分析エンドポイント」が付き、読み取り専用の SQL で中身を調べられます。
- ウェアハウス:SQL で作る本格的な分析用データベース。テーブルの作成や更新も T-SQL で行います。
- セマンティックモデルとレポート:Power BI でグラフにするための部品です。Direct Lake という方式を使うと、OneLake のデータをコピーせずに Power BI から読み込めます。
Fabric IQ は、2025年11月の Microsoft Ignite で発表された新しいワークロードです(Azure 公式ブログ)。中心となるオントロジーは、2026年9月時点でプレビュー(試験提供)です。
Copilot と AI 機能
Fabric には、ワークロードごとに Copilot が組み込まれています。たとえば次のような使い方ができます。
- ノートブック(Data Engineering・Data Science):コードの提案・説明・まとめての書き換え。エラー時は原因の説明と修正案を出す(Fix with Copilot、プレビュー)
- Data Factory:データ変換の処理を文章から作る、処理内容を説明する
- Data Warehouse・SQL database:文章から SQL を作る、コードを補完する
- Real-Time Intelligence:質問を KQL(ログ分析用のクエリ言語)に変換する
- Power BI:レポートページを自動で作る、内容を要約する
もう1つ覚えておきたいのが Fabric データエージェントです。レイクハウスやウェアハウス、セマンティックモデルなどを指定しておくと、利用者が文章で質問するだけで、エージェントが SQL・DAX・KQL を作って答えます。2026年9月時点で一般提供されています。
使う前に知っておきたい注意点
- 有料の容量が必要:Copilot とデータエージェントには F2 以上の F SKU(または Power BI Premium の P SKU)が必要です。無料試用の容量では使えません。
- 日本リージョンではデータが海外で処理される:Copilot を動かす Azure OpenAI は米国と EU のデータセンターで動いています。容量が日本にある場合は、管理者がテナント設定で「地域をまたいだデータ処理」を許可しないと Copilot は使えません。社内ルールと照らし合わせて判断しましょう。
- 容量を消費する:Copilot の利用分も容量の計算資源を使います。使いすぎると他の処理が遅くなることがあります。
- データエージェントの制限:公式ドキュメントでは、現在は英語以外の言語をサポートしていないこと、読み取り専用であること、回答は最大25行・25列に絞られることが明記されています。
Azure OpenAI そのものの位置づけは Azure OpenAI Service の概要と使いどころ で紹介しています。
容量(F SKU)と料金の考え方
Fabric の料金は、容量(キャパシティ)の大きさ × 使った時間が基本です。容量の大きさは CU(Capacity Unit、容量ユニット)という単位で表し、F2 なら 2 CU、F64 なら 64 CU です。SKU は F2 から F8192 まであります。
容量を1つ買えば、Data Factory も Spark も Power BI も、同じ容量の CU を分け合って使います。機能ごとに別々の契約をしなくてよいのが Fabric の料金の特徴です。
従量課金の目安(2026年9月24日時点)
Azure Retail Prices API で確認した東日本(Japan East)リージョンの従量課金の単価は、1 CU あたり1時間 0.21ドルです(米国東部は 0.18ドル)。これをもとに計算した目安は次のとおりです。1か月は730時間、24時間動かし続けた場合で計算しています。
| SKU | CU | 1時間あたり | 1か月(730時間)の目安 |
|---|---|---|---|
| F2 | 2 | 0.42ドル | 約307ドル |
| F4 | 4 | 0.84ドル | 約613ドル |
| F8 | 8 | 1.68ドル | 約1,226ドル |
| F16 | 16 | 3.36ドル | 約2,453ドル |
| F32 | 32 | 6.72ドル | 約4,906ドル |
| F64 | 64 | 13.44ドル | 約9,811ドル |
税抜・米ドル建ての参考値です。円での表示や最新の価格は、Microsoft Fabric の公式料金ページでリージョンと通貨を選んで確認してください。
料金で押さえたいポイント
- 秒単位の課金:従量課金は秒単位で、最低1分からです。長期の契約は不要です。
- 一時停止できる:使わない時間は Azure ポータルから容量を一時停止(Pause)すると、計算の料金が止まります。夜間や週末に止める運用もできます。
- 予約で割引:1年分を予約すると、料金ページによると従量課金より約41%安くなります。
- ストレージは別料金:OneLake に保存したデータ量には別途料金がかかります。東日本の標準(Hot)ストレージは 1GB あたり月 0.025ドルです(2026年9月24日時点)。
- 処理の「ならし」がある:一時的に容量を超える処理をしても、すぐには止まりません。対話的な処理は最低5分、バックグラウンドの処理は24時間にならして計算されます。それでも超え続けると、処理の遅延や拒否(スロットリング)が起きます。
- 超過分の課金(任意):スロットリングを避けるために、超過分を追加で支払う「容量の超過課金」を有効にすることもできます。ただし単価は通常の3倍です。
Power BI のライセンスとの関係
Fabric の容量とは別に、Power BI には利用者ごとのライセンス(Free・Pro・Premium Per User)があります。ここは混乱しやすいので整理しておきます。
| やりたいこと | 必要なもの |
|---|---|
| レイクハウスやノートブックなど Power BI 以外のアイテムを作る | F 容量(または試用容量)+ 無料の Fabric(Free)ライセンス |
| Power BI のレポートを作って共有する | Power BI Pro などの有料ライセンス |
| F64 未満の容量で Power BI のレポートを見る | 見る人全員に Pro などの有料ライセンス |
| F64 以上の容量で Power BI のレポートを見る | 閲覧者の役割があれば無料ライセンスで閲覧可 |
つまり、閲覧者が多い会社では F64 以上にすると閲覧者のライセンス費用を抑えられます。小さな容量(F2 など)から始める場合は、レポートを見る人のライセンスも予算に入れておきましょう。
60日間の無料試用(Fabric 試用版)
Fabric には、60日間無料で試せる試用版の容量があります。2026年9月時点の Microsoft Learn の内容をまとめると次のとおりです。
- 期間:60日間
- 容量の大きさ:F4(4 CU)または F64(64 CU)相当。条件を満たせば管理画面で 4 CU から 64 CU に変更できます
- OneLake の保存量:最大 1TB
- 使える機能:Data Factory、Data Engineering、Data Science、Real-Time Intelligence、Power BI など、ほぼすべてのワークロード
- 使えない機能:Copilot、データエージェント・AI 関数などの AI 機能、Private Link など
- その他:SQL database は3つまで。有料の Power BI ライセンスがない場合は、Power BI の個人用試用版も付いてきます
試用期間が終わると、Power BI 以外のアイテム(ノートブックやパイプラインなど)は使えなくなります。データは7日間 OneLake に残り、その間に有料の F 容量へワークスペースを移せば再び使えます。試用版は評価用なので、本番の業務には使わないよう公式に案内されています。
なお、Fabric には原則として会社や学校のアカウントでサインインします。個人のメールアドレスしかない場合は、Azure の無料アカウントを作り、Microsoft Entra ID にユーザーを作ってから試用を始める手順が 公式ドキュメント に載っています。
Azure SQL Database との違いと使い分け
旧記事では「Azure SQL Database」と「Fabric の SQL DB/データウェアハウス」をまとめて比べていましたが、今は次の3つを分けて考えると分かりやすくなります。
| Azure SQL Database | SQL database in Fabric | Fabric Data Warehouse | |
|---|---|---|---|
| 一言でいうと | Azure のマネージド(PaaS)データベース | Fabric の中で使う業務用データベース(SaaS) | Fabric の分析用データベース |
| 得意なこと | アプリの読み書き(OLTP) | アプリの読み書き(OLTP)+ すぐ分析に回せる | 大量データの集計・分析 |
| エンジン | SQL Database エンジン | Azure SQL Database と同じエンジン | 分析向けの Fabric のエンジン |
| データの形式 | データベース独自の形式 | データベース + OneLake へ自動で複製(Delta 形式) | OneLake 上の Delta 形式 |
| 料金 | 仮想コア(vCore)または DTU 単位。サーバーレスもある | Fabric 容量の CU を消費 | Fabric 容量の CU を消費 |
| 管理の手間 | サービス階層やサイズを自分で選ぶ | 性能は自動で調整され、細かい設定は少ない | 同左 |
SQL database in Fabric とは
SQL database in Fabric は、2025年11月の Microsoft Ignite で一般提供(GA)になりました(Azure 公式ブログ)。Azure SQL Database と同じエンジンを使うため、T-SQL の書き方やツール(SQL Server Management Studio、VS Code の MSSQL 拡張機能)はほぼそのまま使えます。
大きな違いは、書き込んだデータが自動で OneLake に複製されることです。業務アプリが使うデータを、別に ETL(データを抜き出して変換・格納する処理)を作らなくても、そのまま Power BI や Spark で分析できます。ベクトル型を使った検索や RAG(検索して答える AI の仕組み)にも対応しています。RAG の仕組みは RAG 入門 で解説しています。
Azure SQL Database にしかない主な機能
一方で、公式の比較表(2026年8月更新)では、SQL database in Fabric に次のような制限があります。
- エラスティックプール、アクティブ geo レプリケーション、フェールオーバーグループ、長期保有(LTR)バックアップ、geo リストアがない
- VNet サービスエンドポイントなど、仮想ネットワークでの細かい接続制御がない(プライベートリンクはテナント単位のみ)
- 変更データキャプチャ(CDC)、Always Encrypted、台帳(Ledger)テーブルが使えない
- ログインは使えず、Microsoft Entra ID のユーザーのみ
- 1データベースあたり最大32仮想コア・4TB(Azure SQL Database の Hyperscale は最大128TB)
旧記事で「未対応」としたフルテキスト検索は、2026年9月時点ではプレビューとして使えるようになっています。
どれを選ぶか
| こんなとき | 向いているもの |
|---|---|
| 既存の業務システムで、災害対策や細かいネットワーク制御が必要 | Azure SQL Database |
| 小さく始めたい業務アプリで、データをすぐ分析にも使いたい | SQL database in Fabric |
| 何年分もの履歴を SQL で集計したい、BI の土台を作りたい | Fabric Data Warehouse(またはレイクハウス) |
| すでに Azure SQL Database があり、分析だけ Fabric でしたい | Azure SQL Database + Fabric のミラーリング |
「Azure SQL Database をやめて Fabric に移る」必要は必ずしもありません。ミラーリングを使えば、業務システムは Azure SQL Database のまま、分析だけを Fabric で行う組み合わせもできます。
始め方:試用版で最初のレイクハウスを作る
Microsoft Learn のチュートリアル(レイクハウスのエンドツーエンドシナリオ)に沿った、最初の一歩の流れです。
- Fabric のポータルに会社または学校のアカウントでサインインします。
- 右上のアカウントのアイコン(アカウントマネージャー)から Start trial(試用版を開始)を選びます。
- 試用容量のリージョンを選び、規約に同意して Activate を押します。後からリージョンを変えるのは手間がかかるので、普段使っているリージョン(日本なら Japan East など)を選びましょう。
- 左のメニューからワークスペースを新しく作り、ワークスペースの種類が Fabric Trial(試用版)になっていることを確認します。
- ワークスペースで新しいアイテム → レイクハウスを作ります。
- CSV などのファイルをアップロードするか、パイプライン・Dataflow Gen2 でデータを取り込みます。
- ノートブックで加工するか、SQL 分析エンドポイントで SQL を実行して中身を確認します。
- セマンティックモデルを作り、Power BI のレポートでグラフにします。
ノートブックでは、レイクハウスの Files にあるファイルを読み込み、テーブル(Delta 形式)として保存するのが基本の操作です。公式ドキュメントの例をもとにすると、次のように書きます(ファイル名とテーブル名は自分のものに置き換えてください)。
df = spark.read.parquet("Files/sales.parquet")
# Tables セクションに Delta テーブルとして保存する
df.write.mode("overwrite").format("delta").saveAsTable("sales")
保存したテーブルは、SQL 分析エンドポイントからそのまま SQL で読めます。
SELECT TOP 10 * FROM sales;
有料の容量を買うとき
- Azure ポータルにサインインし、検索欄で「Microsoft Fabric」を探します。
- Create Fabric Capacity を選びます。
- サブスクリプション、リソースグループ、容量の名前、リージョン、サイズ(F2 など)、容量管理者を入力します。
- Review + create で作成します。
- Fabric のワークスペース設定で、作った容量にワークスペースを割り当てます。
事前に、Azure サブスクリプションで Microsoft.Fabric リソースプロバイダーの登録と、必要な CU のクォータ(上限)の確認が必要です。試用版で作ったワークスペースも、この容量に割り当てれば引き続き使えます。
導入を判断するチェックポイント
旧記事のチェックリストを、2026年9月時点の状況に合わせて見直しました。
Fabric が向いているケース
- 社内外のあちこちにあるデータ(クラウド・オンプレミス・他社の SaaS)を1か所に集めて分析したい
- データの取り込みから Power BI のレポートまで、1つのサービスで管理したい
- すでに Power BI や Microsoft 365 を使っていて、その延長で分析基盤を作りたい
- IoT のセンサーやログなど、リアルタイムのデータも扱いたい
- 権限・機密ラベル・監査を、分析の道具ごとではなくまとめて管理したい
慎重に検討したいケース
- 業務アプリのデータベースだけが必要で、分析はしない(Azure SQL Database のほうが機能が豊富)
- 災害対策や閉域網接続など、SQL database in Fabric がまだ対応していない機能が必須
- Copilot を使いたいが、データを国外で処理することが社内ルールで認められない
- 容量を24時間動かし続けると予算を超える(一時停止や予約割引、容量の大きさを含めて試算が必要)
Azure でのデータ管理やセキュリティの基本は Azure で実現する安全なデータ管理と共通基盤構築のポイント も参考にしてください。まずは60日間の試用版で、自社のデータを使って小さく試してから判断するのがおすすめです。
まとめ
- Microsoft Fabric は、データの取り込みから加工・分析・レポートまでを1つにまとめた SaaS 型の分析基盤です。
- すべての機能が OneLake という共通の保存場所を使い、同じデータをコピーせずに使い回せます。
- 料金は容量(F SKU)の大きさ×時間が基本です。東日本では1 CU あたり1時間0.21ドル(2026年9月24日時点)で、一時停止や予約割引も使えます。
- 60日間の無料試用がありますが、Copilot などの AI 機能は試用版では使えません。
- SQL database in Fabric は2025年11月に一般提供になりました。業務アプリ用なら Azure SQL Database、分析と一体で使うなら Fabric、と目的で選びましょう。
参考リンク
- What is Microsoft Fabric(Microsoft Learn)
- OneLake, the unified data lake
- Microsoft Fabric のライセンスと容量
- Microsoft Fabric の料金(Azure)
- Azure Retail Prices API
- 容量のスロットリングとならし(smoothing)
- 容量の一時停止と再開
- Fabric 試用版の容量
- Copilot in Fabric の概要
- Fabric データエージェント
- SQL database in Microsoft Fabric
- SQL database の制限と Azure SQL Database との機能比較
- レイクハウスのエンドツーエンドチュートリアル
- Fabric 容量の購入
- Microsoft Fabric の新機能

