2025年4〜5月のNotebookLM新機能アップデート

AI入門

2025年4月以降、GoogleのAIノートアプリ「NotebookLM」には多くの新機能や改善が加えられています。以下では、特に音声対話機能の強化仕事での活用を支える機能追加インターフェース・ユーザビリティの改良、そしてAI応答精度やカスタマイズ性の向上について、最新情報を整理して解説します。

音声対話機能の追加・改善

  • 音声概要(Audio Overview)の多言語対応: 2025年4月末のアップデートで、NotebookLMの音声要約機能が日本語を含む50以上の言語に対応しました。音声概要とは、ユーザーがアップロードした資料の内容をまるでポッドキャスト番組のような会話形式で読み上げて要約してくれる機能です。英語版で好評だったこの機能が、Gemini 2.5 Proモデルの高度な音声処理・マルチモーダル技術により一挙に多言語化され、日本語でも利用できるようになりました。NotebookLMの設定に「出力言語」オプションが新設され、ユーザーは音声およびチャット応答の言語を自由に切り替え可能です。これにより、例えば英語や他言語の資料から日本語の音声まとめを生成する、といった使い方で言語の壁を越えた情報活用が容易になりました。
  • インタラクティブな音声対話モード: NotebookLMでは音声概要を対話形式で再生するだけでなく、対話にユーザー自身が参加できるインタラクティブモードも提供されています。現時点ではこのインタラクティブ音声対話は英語のみでの提供ですが、将来的に日本語対応も期待されています。このモードではAIが複数の話者となって資料内容を議論し、ユーザーは追加の質問を投げかけるなど会話に介入できます。音声入力機能そのものについては正式な追加発表はありませんが、スマートフォンアプリ版では後述の通り音声ディスカッションへの参加が可能となっており、音声を使った対話の幅が広がっています。

ビジネス活用向け機能の強化

NotebookLMは仕事の情報整理やチームコラボレーションにも有用な機能が次々と追加されています。大量の業務ドキュメントや会議資料を効率化する新機能によって、ビジネスシーンでの活用が一段と現実的になりました。

  • 高度な要約・コンテンツ生成: アップロードした社内文書やレポートから、AIが即座に要点を抽出してくれます。NotebookLMはチャットで質問に答えるだけでなく、要約、ブリーフィング文書、タイムライン、FAQ集、学習ガイド、音声概要など多彩な形式のコンテンツを自動生成できます。例えば複数の関連資料をまとめて読み込み、「全体の概要を報告書形式でまとめて」「時系列でプロジェクトの経緯を整理して」と指示すれば、短時間で資料の要約や年表を得ることができます。これらの一括生成機能により、調査レポートや企画書の下準備にかかる時間を大幅に削減できます。
  • 会議議事録の自動作成: 「録音データや文字起こしをアップロードし、『決定事項・未解決事項・次回のToDoを箇条書きにして』と指示するだけ」で、精度の高い会議議事録が瞬時に完成します。別途音声をテキスト化する必要はありますが、生成AIが重要ポイントを漏らさず抽出するため、人手で議事録を作成する手間を大きく軽減できます。過去の複数回にわたる会議議事録をまとめて読み込ませ、「これまでの経緯をタイムライン表示して」と質問することでプロジェクト全体の状況把握も容易になるなど、ビジネスミーティングの記録と活用を飛躍的に効率化します。
  • ノートブックの共有と共同編集: NotebookLMでは作成したノートブックを他のGoogleユーザーと共有し、閲覧専用あるいは編集権限を与えて共同編集することが可能です。これによりチーム全員が同じAI生成ノートを参照しながら情報整理したり、会議メモを共同で追記したりできます。特に有料版のNotebookLM Plusでは共有機能が強化されており、「チャットのみアクセス」の共有(ソースやメモは非公開でAI応答のみ共有)や、共有ノートブックの利用状況を可視化するアナリティクス機能も利用できます。これらの機能のおかげで、社内ナレッジをNotebookLM上で一元管理し、チームでAIアシスタントを共有して活用する、といった使い方も現実的になっています。

インターフェースとユーザビリティの改良

2025年春以降、NotebookLMはより使いやすく進化しています。視覚的な情報整理機能やワンクリックでの資料取り込み、さらにはモバイル対応まで、ユーザー体験を向上させるアップデートが相次ぎました。

  • マインドマップ機能: 2025年3月に追加された新機能で、アップロードした資料から関連トピックやキーワードを抽出し、自動でマインドマップ(概念マップ)を生成します。資料全体の構造や主要テーマを視覚的に把握でき、マップ上の項目をクリックするとその内容に関するQ&Aを深掘りすることも可能です。複雑なレポートや論文でも、マインドマップで俯瞰することで理解がスムーズになります。
  • ウェブ情報の自動取り込み(Discover Sources): 2025年4月の大きな改善点として、NotebookLM上で関連資料を自動検索・インポートできる「提供元を見る(Discover sources)」機能が登場しました。ノートブックの「ソース」パネルからトピックやキーワードを入力するだけで、AIがウェブ上の数百件の情報源を分析し、関連性の高い上位最大10件のコンテンツを提案してくれます。提案された記事や論文はワンクリックでノートブックに追加可能で、これまで手作業で行っていた資料集めの手間が大幅に省けるようになりました。この機能により、下調べから要約作成までNotebookLM上で完結でき、リサーチの効率が劇的に向上します。
  • マルチモーダル対応の強化(画像PDFの解析): NotebookLMは元々テキスト主体のドキュメント解析が中心でしたが、近年のアップデートで画像を含むPDFへの対応が改善されています。2024年9月より画像スキャンのPDFもサポートされ始め、2025年4月のアップデートではPDF内の画像やグラフも検索・分析対象に含める機能強化が行われました(※)。これによりプレゼン資料やスキャン画像PDFなどもNotebookLMで扱いやすくなり、図表を含む資料でもAIが内容を理解し要約・回答できるようになっています。※公式発表より
  • スマートフォンアプリの提供: 待望のモバイルアプリ版が2025年5月20日にリリース予定で、NotebookLMをスマートフォンでも快適に利用できるようになります。Android版・iOS版アプリでは、従来のブラウザ版と同様にノートブックの作成やチャット質問が可能なうえ、スマホならではの機能として音声ディスカッションの再生・参加や、スマホの共有メニューから直接NotebookLMにファイルをアップロードする機能が備わっています。これにより、例えばモバイル端末からメール添付のPDFを共有メニュー経由でNotebookLMに送り即座に要約を得る、といったシームレスな操作が可能です。また、音声概要をバックグラウンド再生しながら移動中に聞くといった使い方も想定されており、いつでもどこでもNotebookLMを活用できる環境が整いそうです。

AI応答精度・カスタマイズ性の向上

NotebookLMはユーザーの手元の情報をもとに回答を生成するという特性上、従来の汎用チャットAIに比べ応答の正確さが高いのが特徴ですが、2025年にはその精度と柔軟性をさらに高める改善も行われました。

  • Geminiモデルのアップグレード: NotebookLMを支える言語モデルは継続的に強化されており、2024年から2025年にかけてGemini 1.5 ProからGemini 2.5 Proへとアップグレードされています。最新のGemini 2.5 Proはマルチモーダル(テキスト以外のデータも扱う)能力や多言語運用能力が向上しており、前述の音声要約の多言語対応など高度な新機能を支えるとともに、応答の品質向上にも寄与しています。また、NotebookLMではユーザーがアップロードしたPDFやドキュメントのみを根拠に回答を生成する仕組みのため、インターネット上の誤情報に引きずられる心配が少なく、結果として誤った回答(いわゆるハルシネーション)の発生を抑えられるという利点もあります。実際、「ユーザー提供データに忠実な回答を行うことで、誤情報を大幅に減らせる」という指摘もあり、社内情報を扱うビジネス用途でも安心してAIの回答を活用できるようになっています。
  • 応答スタイルのカスタマイズ: 2025年にはNotebookLMの回答の口調や長さを調整できる機能も導入されました。特に有料のNotebookLM Plusでは「高度なチャット設定」として、AIの回答スタイルを「ガイド風」「分析者風」などプリセットから選択したり、用途に応じて独自のカスタムスタイルを設定することが可能です。加えて、出力される回答の詳細さも「簡潔に」「より長く」など指定できるようになっています。これらのカスタマイズ機能を使えば、例えばビジネス向けにフォーマルな口調で回答させる学習向けに優しく噛み砕いた説明をさせるといった調整がボタン一つで行えます。さらにチームで共有するノートブックでは、組織の目的に合わせた回答スタイルを統一できるため、AIの出力をより実務にフィットさせることができます。

以上のように、2025年4月以降のNotebookLMは音声対応の強化から業務効率化機能、操作性の向上、そして回答品質や柔軟性のアップまで、幅広い改良が加わっています。公式ブログや開発者会議で発表されたこれらの新機能により、NotebookLMは単なるメモ/要約ツールに留まらず、マルチモーダルなAIアシスタントとして進化を遂げています。ぜひ最新のNotebookLMを活用し、日々の情報整理や業務生産性向上に役立ててみてください。

参考文献・情報源:

AIリサーチアシスタント「NotebookLM」と有料プラン「NotebookLM Plus」の違いとは
https://www.yoshidumi.co.jp/collaboration-lab/notebooklm-vs-notebooklm-plus

NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/notebooklm-50/

NotebookLMの基本と活用方法を解説 – BuzzAIMedia
https://media.buzzcone.jp/notebooklm_guide/

グーグル、「NotebookLM」アプリ版の事前登録を開始 20日配信予定 – ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/2011670.html

NotebookLMや NotebookLM Plus を使ってみる – NotebookLM ヘルプ
https://support.google.com/notebooklm/answer/15724458?hl=ja

NotebookLMの新しい「自動的に検索」で迅速・スマートな情報収集【3分解説】 – komz
https://note.com/komzweb/n/n63020ae445a0

よくある質問 – NotebookLM ヘルプ
https://support.google.com/notebooklm/answer/14278184?hl=ja

Google NotebookLMの新機能「Discover sources」がスモールビジネスの情報収集を劇的に効率化 – AI WAVE
https://ai-wave.jp/2025/04/03/discover-sources-notebooklm-google/

5月20日に待望の「NotebookLM」スマホアプリがリリース決定!Googleが提供する革新的AIノートブック – GO KONISHI
https://note.com/gokonishi/n/n22da67974222

Upgrading to NotebookLM Plus – NotebookLM Help
https://support.google.com/notebooklm?p=plus

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